URBAN FARMERS CLUB

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未来を耕そう

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私的 街の農事暦  ~4月 霜止出苗(しもやみてなえいずる)

 

これを書いている時は穀雨の次項、七十二候で言うと霜止出苗(しもやみてなえいずる)のあたり。霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。遅霜の心配がなくなる頃です

この1ヶ月で私の周りも様子が変わっていきました。見えないウイルスを通して、日常を見渡しています。いつかの飲み会で、私がどうしてアーバンファーミングに積極的なのか聞かれた時に、「何かあったら生きのびるためですよー。」とお酒がまわった勢いで答えたけれど、今、素面の頭で考えることになってしまいました。そして渋谷にはアーバンファーマーズクラブがあって良かったと思っています。畑はもちろんだけど、人とのつながりという部分でも。

自粛生活も長くなりwithやafterに頭をいっぱいにしながらも、外に出て種をまいたり、水やりにすることに集中していくと、ふとウイルス色のメガネが外れていることがあって、感情が自然の流れに戻れて気分が緩みます。肩の力が抜けていて、間違いなく癒されています。土に触れていることが精神的健康を支えてくれるのを、データや棒グラフでなく、自分の体感と近所のホームセンターの混雑の様子で知りました。

のらぼう菜やルッコラも花が咲いて種になっていく。オリーブには蕾、ご近所さん宅の壁に這うデラウエアは、小さなそれでもブドウとわかる実がついています。虫が目につくようになりました。アリにダンゴムシに、見た目怖そうな虫たちも。ベランダのジュンベリーの白い花には、蜂が黄色いコブを足に付けて飛んできます。まさしく春爛漫、陽気が街に充満しています。ただ通りは空いていて、歩いている人も肩をすくめ足早に過ぎていくのを見かけます。まるで冬のような人の世界。

種をまくほどに、旺盛に芽を出してくれるプランターの植物や夏野菜。窓を開け放って、採りたての枝豆を湯がいて、トマトを摘んでビールを飲む夏の夕方を夢見ながら、小さな畑に水をやり、アブラムシを見つけては放り出しています。日差しは確実に初夏の眩しさを増して、麦わら帽子が欠かせなくなりました。