この度、私たちアーバンファーマーズクラブは、リニューアル後の『渋谷区ふれあい植物センター』の指定管理者の指定及び業務委託の受託者としての決定を受けました。
永く、地域の方々を始め、たくさんの方々に愛されてきた植物園を引き継ぐことは、とてもとても責任のある仕事です。
そんな責任のある仕事を担わせていただこうと決意したのは、この植物園が、これまでの「植物を愛でる」植物園から、愛でるだけでなく、育てたり、収穫したり、みんなで食べたりできるような「農と食の地域拠点」としてのリニューアルを目指していると知ったからです。
そこから、プロポーザル応募への準備に取りかかりました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私たちアーバンファーマーズクラブは、あまねく都市生活者が自分たちの手で野菜を育てるようになり「みんなで育てて みんなで食べる」そんなグリーンインフラが構築された社会を築きたい。
その礎となりたいと思い、渋谷を拠点に5年間活動を続けてきました。
原宿、渋谷、恵比寿という、まさに都会の象徴ともいうべき東京のど真ん中で、土を運び込むことから自分たち自身の手で行い、畑も自作し、地域の保育園児たちと一緒に野菜を育て、メンバーたちで育てた野菜を振る舞う収穫祭を行うなど、ここでは書ききれないほど、たくさんのメンバーとたくさんの活動を行ってきました。
おかげさまで、東急不動産、サッポロ不動産開発、東急、伊藤園、キユーピーさんなどの協賛パートナーの皆様の心強い応援もいただけたことで、800名ものメンバーがいる団体へと成長しました。
この5年間の経験を通して、プロポーザルでは『ふれあい植物センター』をどのような植物園として育んでいきたいのか、この植物園を訪れてくれる方々にとって、どのような役割を果たしていくべきかをありったけの想いのすべてを込めて提案させていただきました。
その結果、指定管理者等を担わせて頂けることとなりました。
ふれあい植物センターは、日本で一番小さな植物園としても知られるほど小さな植物園ですが、今、私の目には、この小さな植物園が秘めている無限の可能性が煌めいています。
それは、まるで野菜の種のようです。
指先からポロッとこぼれ落ちてしまうくらい小さな一粒の種の中には、無限の生命のエネルギーが詰まっています。
この小さな種を土に蒔いてみればわかります。
小さな芽を出し、やがて美しい緑色の葉が茂り、色とりどりの作物が育っていきます。
そんな光景を巡る季節の中で目にするたびに、小さな種の可能性と生命力に目を瞠る(みはる)ばかりです。
同時に、種とは、私たちが生まれるよりも遥かずっとずっと昔から、先人たちが種を蒔き、そして種を自家採種するという循環を繰り返し、何世代にも渡って一粒の種を受け継いできたからこそ、こうして、私たちの掌に種がいてくれるわけです。
ということは、もし、今、僕らが種を蒔くことをやめてしまったら、その種はこの世界から永遠に姿を消してしまうことになります。
つまり、種とは、過去と未来をつなぐ今そのものなのです。
『渋谷区ふれあい植物センター』が、これまで来園者の方々の暮らしを潤してきたように、これからは、私たちが「みんなで育てて みんなで食べる」未来へとつながる種となれるように、私たちらしく、できる限り大らかに、そして朗らかな植物園になれるよう、行政の方々、このプロジェクトに力を貸してくれる仲間の方々と連携を取りながら思いっきり力を尽くしていきます。
ぜひ、応援お願いします!
そして、オープンは7月を予定していますので、どんな植物たちがいるのかなど、詳しい情報はまた改めてお伝えさせていただきますがぜひ、植物たち(と私たち笑)に会いに来てください!
もちろん、アーバンファーマーズクラブとしての活動もこれまで通り、いや、ふれあい植物センターとのリンクした活動も計画しているのでこれまで以上にバリバリでやっていきます。
ここまでは助走。
ここからが本番。やっとスタートラインに立てた気がしています。
さあ、未来を耕そう。
特定非営利活動法人アーバンファーマーズクラブ 代表理事
渋谷区ふれあい植物センター 園長
小倉崇