Urban Farmers Club が発足して2年が経過しようとしています。1年目のドタバタ劇から2年目は学びの年。昨年の課題を一つづつ未来を耕す肥やしに日々活動してきました。ん~面白くなってきたぞー。
そんな活動の中に「地域の保育園児との活動」というものがあります。筆者であるわたし髙橋ケンジはUFCとは別に2009年から恵比寿新聞というローカルWEBメディアを運営しその他渋谷区の非常勤職員として2016年から「地域子育てコーディネーター」として保育課に勤務し保育園と地域を繋ぐ活動を行っていました。その活動の中でこんな話がありました。「ナスはくろいから土に埋まってるんだよ」。ひとりのお子さんがこんな事を話しはじめました。「じゃあピーナッツは?」と聞くと「木になっている!」と。子どもの発想の柔軟さに驚かされる反面、都会の生活の中この子達が知っている「野菜」は綺麗にスーパーで並べられた野菜なんだなと。「本当の自然本来の野菜の姿を見せてあげたい」そう思い渋谷区の9つの保育園との耕作プロジェクトがスタートしました。
この保育園の活動拠点は主に3つ。1つは恵比寿ガーデンプレイスで春から始まる葉物野菜を園児と耕作する活動。2つ目が恵比寿ウノサワ東急ビルの屋上でお米を育てる活動。3つ目は原宿東急プラザの「おもはらの森」で渋谷の企業、伊藤園さんの開発したニンジン「朱衣(しゅい)」を育てて収穫し食べたり、キユーピーさんと一緒にサラダ野菜を育て子どもたちと食べる食育プログラムの3つ。
1)ガーデンプレイスファーム
ガーデンプレイスと保育園の取り組みは非常に柔軟で保育園に限らず地域の未就学児や地域の方々も参加し種まきから収穫まで行います。収穫した野菜は各園で調理され給食に出したり各園児が自宅に持って帰るなどしています。各園が散歩コースとしても訪れる為日々の野菜の成長が垣間見れる。休日に園児が親を誘い「ぼくのはたけをみにいこう!」とガーデンプレイスに週末訪れる子達もいるそうです。
2)ウノサワ東急ビル屋上の棚田
企業から出る廃材になった書類ボックスを田んぼに見立てて6月に田んぼの苗植えを保育園児と行っています。10月には収穫。収穫したお米でオニギリパーティーをしようと子どもたちと約束するほど皆お米が育つ事を楽しみに待っている。
3)原宿おもはらの森
渋谷区の企業伊藤園さんとキユーピーさんとの食育プロジェクト。原宿の3園の保育園の児童が人参の種を蒔き収穫まで行います。その間にも葉物の栽培を行い保育園で食べるというプロジェクトが行われています。この2年で野菜嫌いを克服できたお子さんも出てくるなどとても充実した活動に発展しています。
畑を媒介に地域子育てが始まっていく前夜
この2年で可能性を感じたのはアーバンファーミングと子育ては似ているなという点。この活動を支えてくれるのがUFCのメンバーの日々のお世話によって実現している。ひとつモデルをお話しするなら恵比寿のウノサワ東急ビルは20人ほどのUFCメンバーが日々のお世話を行っている。もうすでにみんな下の名前で呼び合い、時間が有れば一緒に呑みに行ったりと地域のコミュニティーの一つの形として成熟している。その根幹には「野菜が心配」という親心にも似た思いがあり、この「想い」は現在分断する世の中を解決する一つの光にも見える。区分けされた畑サービスにはない「みんなで育ててみんなで食べる」という行為は肩書やしがらみを超えたつながりがあります。
未来のある子どもたちに何が渡せるかな?今回の記事はとてもまじめなタッチで描いていますが次回以降は「え!?」という記事も。