URBAN FARMERS CLUB

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収穫祭を終えて

秋の収穫祭を終えると、作物が跡形もなくなくなってしまった畑と同じように、僕も空っぽになる。

体力も知力も気力も全部使い果たした、空っぽの状態。

少し想像してもらえばわかると思うが、収穫とは、土を耕し、種を蒔き、草を抜いたり、間引きをしたりと、とてもとても長い時間と労力をかけることで、ようやく自然が差し出してくれる分け前のことだ。今年、原宿、渋谷、恵比寿、そして相模原のリトリートセンターで、共に汗を流し、土に触り、作物の成長を見届けてきたメンバーたちも同じような気持ちを感じているんじゃないだろうか。スーパーへ行って、商品として野菜を見るのとは全く訳が違う。他人から見たら不格好だったり、葉っぱが虫に食われていたとしても、その野菜たちが種の時からずっと今日まで見守り続けてきたのだから、商品ではなく、ひとつの生命として付き合ってきている。もし、その生命たちが「育ちが悪い」と言われたとしたら、それは彼らの責任ではなく、そんな風にしか育ててあげることができなかった僕らの責任だとも思う。

野菜を育てるということは、当たり前だけど、生命を育てていることなのだ。

そして、収穫ということでいえば、今年はUFCにとっては、これまで以上にたくさんの収穫ができた。

大きなことで言えば、ひとつは、田んぼ部、みそ部、ハーブ部がコロナ禍においても、地道な活動を続けてくれたこと。

ひとつは、今年の秋の収穫祭の会場にもなった、YEBISU GARDEN FARMという渋谷区で最大級の広さの地べたの畑を作ることができたこと。

ひとつは、中目黒のONIBUS COFFEEとの共同プロジェクトで、生ゴミを堆肥化する、サーキュラーエコノミーのUFCバージョンを作れたこと。

ひとつは、生活の自立支援のための野菜の寄付活動を継続し続けることができたこと。(年間を通じて、米30キロ、味噌13キロ、その他季節の野菜、果樹などは定期的に届けた)

これ以外にも、土と種の無人直配ステーションをやったり、YouTubeで誰でも出来る簡単なアーバンファーミング講座を配信したり、直近では初めてのアパレルウェアとなるアーバンファーミングコートをジョンブルとコラボレーションして作ったりと、これまでの活動にプラスして、こんなにもたくさんの収穫を受け取ることができた。

それもコロナ禍で、世界全体が停滞していたような一年だったにも関わらずだ。

これはすごいことだ。

この一年間で、UFCは大きく成長した。それは、メンバーの、さらにはUFCの活動に共感してくれた人たち、みんな一人一人が、それぞれの立場で、それぞれの場所を耕し、種を蒔き、長い時間と労力をかけて、UFCを育ててくれたからだ。

正直に言えば、これまでの活動は僕が一人で引っ張ってきたように感じていた。今日はあそこの畑で、明日は新規案件の打ち合わせで、その次はSNSにみんなが楽しんでくれるような投稿を考えてと、1日も頭も体も休める日はなかった。体も気持ちもいつもクタクタだった。それが、収穫祭の準備をしている時に、田んぼ部が育てた新米が、みそ部が仕込んだ5種類もの味噌が、ハーブ部が育てたハーブを使ったオイルやチョコレートが並べられているのを見たときに、そして秋晴れの綺麗な空の下で佇んでいるYEBISU GARDEN FARMの姿を眺め、一人、また一人と楽しそうにやってくる参加者の姿を見ていくうちに、野菜と同じようにUFC自体がメンバーたちみんながオーガニックに結びつく一つの生命体なんだなと感じた。

今年も一年。UFCの活動に関わってくださった方々。

本当にありがとうございました。心の底から感謝しています。

そして、こんなにもたくさんの収穫をみなさんと分かち合えたことが最高に誇らしいです。

今、僕は、明日、おもはらの『やさいの森』で播種するほうれん草の種を水に浸けながらこの原稿を書いています。

空っぽになった畑に、空っぽになった心に、これからどんな種を蒔いていこうか。これからも、みんなで一緒に考えながら、アクションを起こしながら、未来を耕していきましょう。そうすれば、いつか、きっと、どこかで、まだ出会ったことがない人たちにもなにかの収穫をおすそ分けできるかもしれない。