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私的 街の農事暦 〜熊穴にこもると縄を綯う

12月の中頃、大雪の次項は熊蟄穴(くまあなにこもる)。この頃から街はライトアップで眩しいくらいになっていきます。贈り物やパーティにクリスマスリースも素敵ですが、私はこの頃から注連縄を準備し始めます。最近はSNSをチェックしていると、素敵な注連縄を自作できるワークショップが多く開催されている様子。農家さんに手習いできるものや、鶴亀を作ることができる会など、たくさんあって目移りするほどです。

それに、UFCで今年から福永さんの注連縄講座が開催されましたね。それに合わせてこのサイトで公開された記事では、注連縄にまつわる風習もより深く知ることが出来ました。

我が家では秋の終わりに、ススキの葉を刈ってきて干しておきました。もちろん注連縄用です。稲と共に編み込むのです。以前、収穫して干しておいたレモングラスを、教えてもらった通りに編み込んでみたら、2色の縄はとても素敵な仕上がりに。それを思い出して、ススキの剪定の機会があった時から編んでみようと決めていました。

作り方はシンプルで、稲とススキの束を先を足で踏み込んで、両手を擦り合わせるようにしてねじり分け、その2本を時計回りに捻って縄に仕立てていきます。シンプルとは言え、私にとっては1年に1回の作業、言うほど簡単に出来る訳もありません。上手く捻れず四苦八苦していたら、足が怠くなり、あーーーぁと手放してしまう。何度かのあーーーぁを繰り返し、少しずつ少しずつ縄を綯(な)います。何度も失敗してたら暑くなってきて、エアコンはOFF。1LDKの部屋で猫背になって、ようやく心も静かに集中できれば、綯う精度はあがっていきます。

昼過ぎから始めてなんとか輪になった2色の縄には、大家さんのお庭から譲ってもらった松葉と南天を飾ります。赤と緑が入るととても鮮やか、我が家の注連縄のできあがり。松葉は冬でも青々としているということから健康長寿を、南天は「難を転じる」不浄の植物として願いを。

賃貸マンションの小さな扉に、手のひら程のサイズの慎ましい注連縄。決して派手ではないけれど、今年の収穫や縁起を少しずつ分けてもらい、それらを束ねて次の年を願うことに、大きな循環を感じると共に、なんだか嬉しい気持ちになります。街で暮らしてても、素材を分けてもらったり拾ったり、出来ることは結構あるなと大いに満足して、この注連縄はクリスマスが終わったら飾ることにします。FMからはいつのまにかジョンレノンの歌が流れていました。

熊が春に向けて巣穴にこもる頃、私は暖かい部屋で新しい年に向けて願いを込めます。来年もいい年になるといいな。ベランダからすっかり暮れてしまった夜の街を臨むと、灯りのともった窓が縦に横にと広がっています。冬を暖かく過ごして、次の春へ。たくさんの熊穴が街にはあるのです。