UFCは4つの活動の軸を掲げ設立しました。
それらについて説明することで、UFCが考えるアーバンファーミングの意義と価値を伝えたいと思います。
1:地域活性。都市に畑を作ることで、そこで暮らす人や働く人たちの出会いが生まれます。ともに土に触れ、汗を流し、収穫を分かち合う。畑では年齢も職業も一切関係ない、フラットな繋がりが生まれます。誰もが自分だけの利益を求めるのではなく、全員の喜びを求めるコミュニティは、アップデートされた長屋のように、地域に新たなコミュニケーションを創発し、地域の活性化につながります。
2:食育。都会でも、土と種と太陽と水さえあれば、自分たちが食べる作物を育てることができる。現代では大人たちも失ってしまった、食と自分たちの関係を子供の頃から、都会だからこそ提供することは、未来の社会を構成する上で欠かせないことだと思います。そして、その子供たちが大人になった時に、今度は未来の子供達へ食育を提供できる知識と場を手渡していくこと。食育とは、単なる学びにとどまらず、サステナブルな社会を目指す上で大切なバトンだと考えています。
3:環境対策。自分たちの暮らす街で野菜を育てることができれば、遠方からガソリンを輩出する流通に頼る割合を減らすことができます。そして、同時に街に緑が増えることにもつながります。その結果、co2排出が削減され、ヒートアイランドの低減にも貢献することが可能になります。併せて、必要以上の食べ物を購入する機会も減り、フードロス解消への一歩も踏み出すことができるのです。
4:食料自給。2011年の東日本大震災で都内のスーパーから食料品が消えたことに俯瞰や恐怖を覚えた人も多いと思います。東京は人間が生きる上で、誰もが必要とする「食べる」ことを生産する機能がありません。都市の中で作物を育てることは、地震などの災害が起きた場合のライフラインとしての食料自給でもあり、防災の観点からも必須な機能だと考えています。
UFCはこのような考えのもと、自分たちの理念、哲学を掲げ、それに共鳴するメンバーたち全員で、渋谷エリアを中心に「みんなで育てて、みんなで食べる」、「あまねく都市生活者が都市においても作物の栽培が可能になるスキルの共有」を目指して活動しています。
欧米では当たり前に根付いているアーバンファーミングを、都会の象徴である渋谷から発信することで、全国へアーバンファーミングの輪を広げていきたいと願っています。点から線へ、線から面へ。地下水脈のように、アーバンファーミングが全国に広がれば、誰もが自然の恵みを享受することができる、日本独自のグリーンなインフラを構築すること。それが、UFCのヴィジョンでもあるのです。