ここ数日、暖かい日が続いて、少しずつですが春が近づいてるのを感じます。
我が家のベランダ菜園では、イチゴの葉が寒さに耐えるように地面低くに張りついていたのが、この数日の暖かさで一気に葉が立ち上がってきました。
そんな、春の空気を感じながらもまだまだ寒さも続くこの2月に、家庭菜園家にとっていち早く春の訪れを感じさせてくれる野菜があります。
それは ”ジャガイモ” です。
2月になると(早いとこでは1月中旬から)、ホームセンターや園芸店に、一斉にジャガイモの種イモが並び始め、それを見かけると、
「おお~!種イモだ!もう春が近いな、畑の準備をしなければ!」
と、冬休み状態だった菜園脳を叩き起こしてくれるのです。
2月のまだ寒く野菜の少なくなったさみしい畑に、春を呼び込むように、まず最初にジャガイモを植えるのです。
そういう家庭菜園家はきっと私だけではないはずです。
* 3年前まで借りていた区民農園で、息子とジャガイモの植え付け。
(ちなみにこの区民農園は、UFCの渋谷リバーストリートファームのすぐ横の、今は空き地になってる場所に当時あったのですが、3年前に廃止になってしまいました・・。)
とはいうものの、我が家ではジャガイモは3年前に育てて以来ご無沙汰だったので、今回ジャガイモ栽培の記事を書くにあたり、3年ぶりにベランダでジャガイモ栽培を始めることにしました。
現在、我が家ではベランダのプランターで野菜を育てているので、私のプランターでの育て方を紹介していきます。
自己流な部分もあり、一般的に紹介されてる栽培法とは違うところもあると思いますが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
さて、いざジャガイモを育てるぞ! と決めて,まずいつも悩むのが種イモの入手です。
ジャガイモは、種や苗から育てる他の野菜とは違い、「種イモ」という、通常食べてるイモの部分をそのまま土に埋めて、(正確には、食用のイモと種イモとでは色々と違いがあるのですが。)そこから芽が出て茎葉が育っていき、5~6月になると地中に新たなイモたちが育つのです。
(UFCの皆さんならすでにご存知だとは思うのですが、初めての方向けに簡単に説明しておきます)
*ジャガイモの種イモ。芽もしっかり出てます。
(台所の片隅で忘れさられていたイモではありません笑)
この ”種イモ” を入手するのが都会ではちょっと難しい。
まず私が住んでる渋谷区など都心部には、種イモを売ってるような野菜苗売り場の充実したホームセンターや園芸店が少なく、またネット通販で購入しようとしても、1kg単位とかでしか取り扱ってない場合が多く、私のような狭小ベランダ菜園家にとっては、種イモは100gくらいのが1個あれば充分で、ホームセンターで袋に入った大量の種イモを見つけても、
「こんなに植えられないよ~、どこかに1個だけ売ってないのかよ~」
という悩みが起こるのです。
車や電車で少し郊外に出れば、種イモをバラで売ってる店はあるんだけど、
「種イモ一個買うのにそれ以上の電車賃やガソリン代を使うのもな~・・」
と、そこまで行くのをためらってしまうのです。(ケチか!)
どこか近くに種イモを1個売りしてるところはないかな~ 、と思いながら、先日、島忠ホームズに買い物に行き、園芸コーナーをのぞいてみたら、なんと、種イモが2個単位で売ってるのを発見!しかも2個で98円!
ここはうちから車で15分くらいで割と近く、よく利用するホームセンター。
ありがとう!シマチュー!
選んだ品種は「キタアカリ」。
ほかに定番のメークインと男爵も売ってました。
キタアカリは過去にも育てた事があって、男爵系のホクホクした食感で、男爵より甘みの強い品種。
種イモを買ってきたら、まず、「浴光育芽(よっこういくが)」といって、種イモを太陽の光に2~3週間あてるという作業をするんだけど、これをする事で、出てきた芽がより丈夫に育つようになるんだとか。
「・・ウ~ン・・、2~3週間もかかるのか・・、長いな・・。」
さいわい買ってきた種イモはすでに芽が出始めている。
よしっ、この作業は飛ばしてしまおう。
ただ、買ってきた種イモの芽がまだ出てない場合は、芽が出てくる位置の確認もできるので、浴光育芽はできればやった方が良いと思います。
今回買った種イモは1個約100gだったので、ヘソ(根とつながってた部分)を境に半分にカットします。これで1個の種イモが、50gの種イモ2つとなり、2箇所に植えることができます。
買ってきた種イモがさらに大きい場合は重さに応じて3等分,4等分に切り分けます。
切った1片のイモのサイズが40~80gくらいであれば問題無く育つようです。
1片が大きすぎて80g以上になると、芽がたくさん出てくるばかりで、収穫量自体はあまり変わらなくなり効率が悪くなるので、種イモを切り分ける時は1片が40~80gに切るのがGOOD。
逆に種イモが80g以下の小さめなものであれば、切らずにそのまま植えた方が良いです。
*半分に切った種イモ。切る位置を決めるのにいつも悩む。
切ったあとは、切り口が痛まないようにするため、1~2日外で乾かします。
すると切り口がカサブタ状になり、土に埋めた時に傷みにくくなります。
*丸1日乾かした状態
あと、切り口に草木灰をつける、っていう方法もよく紹介されてますが、切り口乾燥作業をすることで、これも省略できます。
なんか、種イモ1個の切り口のためだけに、わざわざ草木灰を買うのもシャクだし・・。(ケチか!2回目)
ただ、種イモを切った直後にすぐ植えつけたい場合は、草木灰は使ったほうがいいと思います。
我が家のベランダでは、幅60 x 奥35 x 高さ25 cm のプランターに2株植えました。
植える穴の深さは10cmくらい。
なんだか目玉みたいに見えますが、穴の中に種イモを置いたところです。
切り口が上を向くように置きます。
この、切り口を上に向けて植える、っていうがちょっとした小技でして、これを”逆さ植え” って言います。通常、切り口は下向きに(つまり芽の向きを上に)植えるのが基本とされています。
切り口を上に向けると、当然の事ですが芽の出てる向きは下向きもしくは横向きになります。そして土の中で芽が成長を始めると、一度下方向に伸び始め、その後、上向きに曲がりながら方向を変え地上部に伸びていきます。
この、芽が下から上に曲がりながら伸びていく、っていうのがポイントで、それによって芽の成長に負荷がかかり、成長力の強い芽だけが地上部に出て、弱い芽は淘汰されます。(極端な場合、芽が一本も出ないっていうリスクもあるかも・・)
さらに、イモが成長した際、地中のより深い位置で育つようになり、イモが地上部に出て光が当たって変色してしまうという、いわゆる ”緑化イモ” になる割合が減る、というメリットがあります。
逆にデメリットもあって、切り口が上を向いてるため、水やりをしたり雨が降った時に、その水が切り口に当たりやすくなり、そこから種イモが傷んでしまう、というリスクあります。
まあ、切り口が上か下か、っていうちょっとした事なのですが、ジャガイモに限らず、ほかの野菜栽培でもこんな小技がたくさんあって、それを色々と試してみるのも面白いですよ~。
そして、このあとは上から土をかぶせたら完了です。
あとは土の中から芽が出てくるのを待つだけです。
2~3週間で芽が出てくると思います。水やりは芽が出るまでは必要ありません。
先ほども書きましたが、植えたばかりの頃に水やりをすると種イモの切り口が湿って傷んでしまう恐れがあります。
芽が出てきて10cmくらいになったら、「芽かき」といって、芽を2~3本に間引く作業があるのですが、これはまた次回、実際に芽が成長した状況を見ながらお伝えします。(うまく芽が出ますように!責任重大!)
今回、記事を書くために例年より早めに (2月9日に)植えつけをしました。通常は2月下旬に植えてます。植えつけは3月末頃までに植えれば充分間に合います。
ただ、その頃になると種イモが入手しづらくなるので種イモは早めに購入しておいた方が良いです。
植えつけ前の準備段階の話だけで長々と書いてしまいましたが、一度植えてしまえば、ほかの野菜と比べてもあまり手間がかからず作りやすいと思います。
そして、5月後半から6月には自分で育てたジャガイモとご対面(収穫)です。
掘り出すまでイモの育ち具合が分からない分、収穫時のワクワクも大きいですよ。
*3年前にベランダで1株だけ育てたジャガイモ。葉が黄色くなったら収穫のサイン。
菜園に春を呼ぶ野菜、ジャガイモ、皆さんも栽培楽しんでくださいね。
これから随時、ジャガイモも含めてベランダ菜園の様子や育て方をお伝えしていきます。
*1株でこれだけ収穫できました😀
瀧岡 健太郎